悪性腫瘍などと違って生命にかかわるものではないために、大病院にあっては、初歩的な手術として、経験 の浅いドクターや専門外の医師に任されたりすることも多い痔手術ですが、一歩誤ると狭窄や機能不全など 後々の日常生活に支障を来すようなこともあり、決して侮れない疾患でもあります。
2回目、3回目ともなると手術自体が大変難しくなるので、やはり初回の治療(手術)が大切だなァと、日常診療のなかで痛感させられることも、少なからずありました。
そうした経験から、肛門科医としての専門性を高めようと意識して勉強 をして来もしたし、肛門科専門で開業を決意するに至りました。
また、近年、生活の欧米化に伴い日本人 にも増えてきた大腸癌に対して、今でこそポピュラーになりましたが、内視鏡下で小さいうちに見つけて、 それもお腹を切っての手術ではなく、カメラで見ながらワイヤーで縛り切ってしまうだけで治してしまう というメリットの大きな治療方法に大変魅力を感じたので、そのパイオニアである、Dr.新谷を頼って、大腸 ファイバーについて学んできました。
現在は、全大腸ファイバーでは所要時間は約15分くらいですが、ほとんど、うとうとされている間に終えて いただけるように麻酔補助も工夫を重ねています。過去に検査で痛い思いをさせられた患者さんは、 その検査を敬遠するので結果的に早期発見を阻むことになるという考えに基づき、検査・手術はなるべく 苦痛を減らすようにしよう、というのが当院のポリシーです。 |